このサイトでは「やりたい仕事で年収アップ」をコンセプトに、キャリアアップに関する情報、アイデアを発信しています。
今回は、やりたい仕事で年収アップをするために欠かすことのできない自己分析の方法を紹介します。
こんな方におすすめ
- 自分の好きなことがわからない
- 自分の強みがわからない
- 自分の天職を見つけたい
自分自身のブレない軸をつくる
戦略的に転職を実現するにあたり、「職種を変える転職のキャリアチェンジ戦略~分析・戦略編~」の中で、マーケティングの3C分析を転職活動に応用するフレームワークを紹介しました。
転職活動の3C分析
Customer
=採用市場・応募先企業
Company
=自分(自己分析)
Competitor
=他の転職者
その中で、最も重視すべきなのは自己分析です。
最終的には「市場」や「競争相手」を意識して、転職戦略を組み立てる必要がありますが、自分自身というブレない軸を確立することが最優先事項といえるでしょう。
社会人こそ自己分析をやるべき理由
また自己分析というと社会人経験のない学生が初めて就職活動をするときに実施するイメージが強いと思いますが、私は社会人こそ自己分析をすべきだと思っています。
なぜなら、学生時代の経験よりも、社会人になってからの経験の方が、自分の仕事における適性を発見するための多くの経験を積んでいるからです。
学生時代は遊び・学業が中心なので、「適職を見つける」という目的から考えた時に適切な経験のサンプルが足りていない状態です。
社会人になって一定の仕事の経験がある方が、仕事の業務経験がある分、学生時代よりも深い自己分析が可能です。
自己分析の目的とゴール
大きくわけて2つのことを、自己分析を通して明らかにしていきます。
自己分析のゴール
自分の好きなこと
自分の強み・得意なこと
最終的にはここに市場のニーズと掛け合わせることで、自分がどんな仕事をするべきかについて考えを整理していきます。
市場のニーズを押さえるための転職活動に特化した企業研究・業界研究のやり方はこちらの記事でまとめています。
自分の好きなことを見つける
好きなことを仕事にすることは、仕事のやりがいにつながることはもちろん、熱中して仕事に取り組むことによりハイパフォーマンスにもつながります。
年収をあげていくためにも非常に重要な要素となります。
「適職を探す」ための自己分析において、重要なことは「好きな作業」を見つけることです。
どんな作業をしているときが、時間が経つのも忘れて没頭することができるのかを考えることが、適職を発見する大きなヒントになります。
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自分の得意なこと・強みを発見する
仕事において、強みに集中することの重要性は多くの識者が指摘していますが、経営の神様とも言われるドラッカーもその一人です。
不得手なことの改善にあまり時間を使ってはならない。
自らの強みに集中すべきである。
無能を並みの水準にするには、一流を超一流にするよりも、はるかに多くのエネルギーと努力を必要とする。
出典:「明日を支配するもの」
自分の得意な領域・強みで勝負することは、仕事で高いパフォーマンスをあげるために非常に重要なポイントです。

自己分析の2つのアプローチ
自己分析には大きく2つのアプローチがありますが、両方を併用することでより多角的に自己分析を進めることが重要です。
2つの自己分析
自分史分析・ストーリー分析
適性テスト分析
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1自分史分析・ストーリー分析
今回の記事で具体的に紹介しているのは、こちらの自分史分析・ストーリー分析になります。
自分史・ストーリー分析という名の通り、これまでの自分の人生を物語のように振り返ることによって、自分自身を再発見するという分析手法です。
自分自身の過去の出来事に対して、自分自身で解釈を改めてし直すことで自分自身を再発見するのがポイントです。
こちらの分析では「好きなこと」「得意なこと」の両方を発見する事が可能です。
参考となる本もいろいろなものがありますが、比較的最近の本でおすすめなのはShowroom社長の前田裕二さんのメモの魔力です。
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2適性テスト分析
もう一つの分析方法は適性テストによる分析です。
選択式の質問に答えることによって、蓄積されたデータを元に、自分自身の適正を客観的にあぶり出すテストです。
いくつか適性テストを提供している会社がありますが、安価かつ書籍としても非常に有用性の高い「ストレングス・ファインダー」の活用がおすすめです。
こちらの分析では、主に自分の「強み」を発見できます。
以下の書籍を購入すると、購入すると特典として、適性テスト「ストレングス・ファインダー」をオンラインで受診することが可能です。
適性テストによる自己分析について詳しく知りたい方は、こちらも合わせてごらんください。
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自己分析のやり方とコツ
ここからは自分史分析・ストーリー分析の方法について具体的に紹介していきます。
自分史分析・ストーリー分析は、自分の自身の過去の経験を見つめ直すことで、新たな意味を再発見するという試みです。
主なライフイベントを洗い出し、大きく感情が動いた経験から「好き」「嫌い」のヒントを発掘し、何らかの結果を伴う成功体験・失敗体験を通して自分自身の「得意」「不得意」を再発見します。
分析にあたり、いくつかのコツ・ポイントがありますのでお伝えします。
自分自身の解釈が重要
過去の事実ではなく、過去の事実に対してどんな解釈をするかということが最大のポイントです。
たとえば「営業成績がトップになって嬉しかった」という体験があったときに、具体的にどのように考えるのかを見てみましょう。
まず、「好き」を発見するためには、嬉しかった理由できるだけいろいろな角度から見つめ直していきます。
嬉しかったのはなぜか?
・与えられた目標を達成できたから
・自分の計画した通りに物事を動かせたから
・人より優れていると感じたから
・努力が他人から認められたから
・給料が上がったから
・チームで喜びを分かち合えたから
次に「強み」「得意なこと」を発見するために、成功した要因について分析していきます。
成果を上げられたのはなぜか?
・目標達成意識が強かったから
・営業戦略が誰よりも優れていたから
・アプローチ数・行動量が多かったから
・顧客との人間関係が強かったから
・セールス・トーク力が優れていたから
一つの体験からでも多くの解釈が可能です。
そして、たいていの場合、一つの出来事に対して、さまざまな要因が絡み合っているものなので、一つの体験だけでなく複数の体験を見比べてみることで、自分の「好きなこと」「得意なこと」に関する理解を深めていきます。
「もしも○○がなかったら」という要因の深堀り
自分の好きなこと・得意なことを見極めるためには、自分自身の体験を深堀りして分析することが必要になります。
自分の体験を深く分析するときにに有効なのが「○○がなかったら」という仮定質問を自分にしてみることです。
たとえば、先の「営業成績がトップになって嬉しかった」ということがあったときに、下記のような質問を自分にしてみましょう。
本質をあぶり出す仮定質問
仮に、目標を達成できていなくても嬉しかったか?
仮に、自分の計画した通り物事が運んでなくても嬉しかったか?
仮に、人より優れている、と感じなくても嬉しかったか?(過去にもっとすごい成績を出した人がたくさんいたなど)
仮に、他人から認められ称賛されるような機会がなくても嬉しかったか?
仮に、給料に全く反映されなくても嬉しかったか?
仮に、チームで喜びを分かち合えなくても嬉しかったか?
これも先程と同じく、複合的な要因で物事は成立しているので、YES・NOで明確に切り分けられるものでもありません。
ただし、それぞれの要素に濃淡があると思いますので、自分自身の感情の揺れを逃さないことが重要です。
自分自身の感情の揺らぎの程度の中に、自分自身の再発見するヒントがあります。
内発的動機に注目する
また、「好きなことを」を発掘するために、重要なのは「内発的動機」に注目することです。
モチベーションは、活動それ自体に喜びを見出す内発的動機と、活動の結果による褒美や罰に起因する外発的動機の2種類あると言われています。
つまり、仕事で言えば「給料という報酬が多く貰えたらから嬉しい」というのは外発的動機にあたります。
自分の好きな仕事を見極める自己分析において、重要なことは外発的動機ではなく、内発的動機に注目することです。
また、「人から褒められた」ということも、外発的動機付に分類されるので注意が必要です。
内発的動機を見極める上で、一ついい質問例があるので紹介しましょう。
今10億円あってもなお、その仕事をやるか?
渡邉正裕さんの35歳までに読むキャリア(しごとえらび)の教科書で紹介されている、自分の内発的動機を見極めるための質問です。
この質問は内発的動機を発掘する上で便利な質問であり、自己分析をしていたときによく使用していました。
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適切かつ十分な数の質問を用意する
最後に、最も重要な点は、適切かつ十分な数の質問を用意することです。
私達がこれまで経験してきたことは膨大ですので、当然何のきっかけもなしにすべての出来事を思い出すことはできません。
しかし、きっかけさえあれば、思い出せることがたくさんあります。
記憶を呼び覚ますトリガー、きっかけとなるものが「適切な質問」になります。
自己分析におすすめの書籍
十分な数の適切な質問を自分で用意するのは非効率なので、書籍の利用をおすすめします。
いくつかオススメの書籍をピックアップして紹介します。
これだっ!という「目標」を見つける本
私が最初のキャリアチェンジ転職の際に使用した本なので、やや古い書籍です。
実際にいくつか自己分析に関する書籍を読みましたが、この書籍が当時の私には一番フィットしました。
本のタイトル通り、自分の目標が見つけられない、目標が定まらないので頑張れない、と悩んでいる人にはおすすめの書籍です。
メモの魔力
もう一冊は最近の書籍であり、現在注目されている企業家の一人であるShowroomの前田さんの書籍です。
この本の巻末には、自己分析のための1000の質問があるので自己分析に役立つでしょう。
成功するのに目標はいらない!
この本の秀逸なところは、目標などなくても大丈夫だという道筋を示してくれたことです。
当時は今よりも「目標を持ち、目標から逆算して計画を立てるべし」という風潮が強かったと記憶しています。
当時の私は具体的な目標が描けないことに悩んでもいましたが、なるほどこんなアプローチもあるのか、と目からウロコが落ちました。
質問は豊富ではありませんが、キャリア戦略のアプローチとして参考になる書籍です。
豊かなキャリアを歩むために
自己分析の方法とポイントについて紹介してきました。
私自身はあれこれと考えるのが好きなので、今でもたまに自己分析ノートを見返します。
自己分析ノートを見ると、改めてキャリアや人生において、自分が何を大切にすべきかということに気付かされます。
日々の行動も変わってきますので、キャリアの節目である転職のタイミングはもちろん、それ以外のタイミングでも定期的に自分自身を見つめることをおすすめします。
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