転職コラム

現地採用と海外駐在の違いとメリット|給料・待遇格差の現実

更新日:

現地採用と海外駐在の違い格差

海外赴任・海外駐在員は、年収アップの非常に有力な選択肢になることをお伝えしてきました。

前回の記事でお伝えしたとおり、海外駐在員になると額面年収1.5倍、手取年収だと2倍くらいになることもあり、年収面では非常に大きなメリットがあります。

一方で、海外赴任・海外駐在員だけが、海外での働き方ではありません。

もう一つ、「現地採用」という働き方があります。

今回は現地採用と海外駐在員との違いや現地採用を選択する上での注意点などについて考えてみます。

 

現地採用と海外駐在員との違い

まず「現地採用」と「海外駐在員」との違いについて、確認していきましょう。

日本に本社のある会社の、海外現地法人に就職するケースを例に説明します。

海外駐在員と現地採用の違い

海外駐在

 日本本社Aで採用されて所属し、海外現地法人Bに出向している状態。

 給与体系は本社Aに準拠する。

現地採用

 海外現地法人Bで採用されて所属し、本社Aとは人事制度上無関係

 給与体系は海外現地法人Bに準拠する。

表面的には同じ海外現地法人に勤務しており、外から見えると同じように見えるかもしれませんが、そもそも所属している会社自体が異なります

基本的には、大きくわけて海外現地法人には、日本から赴任してきている日本人と、現地国で採用したローカルの外国人という2つのグループで構成されています。

この位置づけに置いては、「現地採用」の場合、日本人ではなくローカルの外国人と同じ位置づけで扱われるのが普通です。

それに付随して、仕事内容や待遇が大きく異なります

 

 

現地採用の厳しい現実

たいていこのようなAとBを比較するような記事はまずはメリットから書くのが定石ですが、海外駐在員と現地採用の格差を考慮すると、まずは海外駐在員と比較した現地採用の厳しい現実から紹介したいと思います。

 

給料が安い・年収が低い

前回の記事で紹介した、海外駐在員の高待遇が適用されるのは、あくまで本社から赴任している「海外駐在員」のみです。

現地採用には適用されず、そもそも給与テーブル自体が全く異なります。

当然ながら、現地採用の給料・待遇が「海外駐在員」に比べて低くなるのが一般的です。

 

福利厚生が悪い・医療費の心配

海外駐在員の福利厚生は本社が負担しているケースが一般的ですが、現地採用においては基本的に本社のサポートはありません

現地法人が提供する現地のローカル人材と同じ福利厚生であることが一般です。

メモ

最低賃金などは「外国人」であることを理由に高めに設定されていることもあります

住居、通勤、教育、医療、など、さまざまなシーンで「海外駐在員」との格差を感じることになるでしょう。

特に心配事やトラブルになりがちなのは医療費です。

国によって医療の質、制度にかなりバラツキがあります。

日本のようにどこの病院に行っても、比較的安価に一定以上の医療レベルが保証されているとは限りません。

歯科治療における高額請求はよく聞くケースですので、確認が必要でしょう。

 

職が安定していない

日本からきている海外駐在員は日本本社に所属する正社員であり、一般的には事実上終身雇用であるケースが多いです。

一方で「現地採用」は単年度の契約の契約社員であることが一般的です

どんなに大企業であっても海外事業の拡大・縮小はよくあることで、撤退とはいかないまでも事業の状況に合わせた人員の拡大・縮小は、特段珍しいことでもありません

私が知る限り、給与・待遇の格差が大きいことに、不満に感じるケースが多いようです

 

現地採用に応募する前に注意すること

ここからは本サイトのコンセプトの一つである「年収をアップさせる」という観点から、注意すべき点を上げていきます。

私の経験上、「現地採用」という働き方を検討する人はざっくり3タイプの人が多いように思います。

現地採用の典型的な3タイプ

とにかく海外が好き

海外が好きで、海外で仕事をしたいというより海外で暮らしたい

将来のことよりは、「今どこで生きるか」ということの優先度が高い

一旦、生活をリセットしたい

日本で嫌なことがあり、度人生の休憩をした

環境をガラリと変えることで、人生を見つめ直したい

一発逆転したい

日本でのキャリアに行き詰まりを感じ、「海外で働く」経験を積むことでキャリアアップにつなげたい

日本とは違う、非連続な環境で、自分の中で何かが変わることに期待したい

「海外で暮らしたい」という動機ではなく、将来的な年収アップやキャリアアップを目的として海外現地採用を検討している方は、事前によく考えてから決断することをおすすめします。

 

 

教育制度はないと思った方がいい

たいていの現地法人において、日本のような教育制度はないと思った方がいいです。

そもそも本社から来ている海外駐在員たちの任期は3年~5年が一般的であり、教育という中長期的な企業成長の仕組みを構築する優先度が上がらないことが多いようです。

教育制度を熱心に作ってもその効果が出る頃には自分はもういないことになるので、なかなか時間やお金が投資されづらいのが一般的です。

また、現地のローカルメンバーにおいては、終身雇用などほとんどの国で存在していないため、転職することが当たり前の世界です。

そのため、なかなか業務のノウハウも蓄積されない環境があり、属人的に業務が行われることも多く、結果として日本のようなしっかりとした教育制度などはない思った方がいいでしょう。

「とりあえず海外に来てみました」という勢いとノリを過大評価している人たちが一定層いますが、要注意です。

20代前半ならまだいいかもしれませんが、20代後半以降になって何もキャリアプランもなしに現地採用にトライするのは無謀です。

つまり「とりあえず海外という環境に飛び込んだら”勝手に”成長するだろう」という甘い考えは危険であり、海外に飛び込む思い切りと合わせていかに自分の未来を自分で切り拓くかという強い意志と具体的な行動計画が必要です。

 

自分自身の「仕事の型」を持って海外に行くべき

教育制度がないに等しい環境では、基本的には自分自身の仕事の型をベースとして仕事をすることが非常に重要となります。

例えば、何か業務を依頼されたときに、自分の仕事の型を持っていれば、ゴールから逆算して必要な作業を割り出して自分一人である程度仕事を進めることができます。

これが、仕事の型を持っていない場合、業務を依頼されても全体像やゴールイメージがわからないため、一から十まで手取り足取り教えてもらわないと仕事が進まなくなります。

さらに語学が完璧ならまだいいですが、そうでない場合は一から十まで教えてもらっているのに、コミュニケーションの問題ですべてを理解しきれずミスを連発したり、何度も同じことを教えてもらうということになりかねせん。

仕事が進まないと「使えない人」と判断されて、任される仕事はどんどん誰でもできる簡単な仕事しかなくなり、「将来の年収アップ」につながるキャリアを積むことが難しくなります

 

明確な目標と覚悟を持って行くべき

そもそも、本社から来ている海外駐在員からすると「現地採用」の人は、「育成」対象というよりは「活用」対象です。

ドライに言えば「使えるのか、使えないのか」という視点で見ています。

本来は、部下育成の観点から言えば、失敗する可能性もあるチャレンジングな仕事を任せるのが定石ですが、現地採用はその対象から外れやすいです。

成長できる仕事ではなく、その人にできる仕事が任されるのが基本です。

つまり、黙っていれば「キャリアアップ」ができるということはなく、自分からチャンスを掴みにいく自己研鑽・自己アピールが必要となってきます。

もちろん、ドライな人ばかりではないので、たまたま運良く面倒見のよい人に当たることもあるでしょう。

しかし、「面倒見のいい人と出会えるかどうか」という外部環境に依存しすぎるのはあまりにリスキーです。

将来のためのキャリアップ」を目的にしている人材の場合、1年1年が非常に貴重な時間です。

「自分はこの数年で確実にキャリアップするんだ」という強い意志と覚悟が重要だと思います。

 

「海外駐在」との格差に腐らない

既にお伝えしているように、「海外駐在員」との差は歴然です。

待遇の差に愚痴や文句を言う人がたまにいますが、全くの無意味、時間の無駄です。

そもそも待遇差があることぐらい調べればすぐにわかることであり、そんなことはわかった上で現地採用として働いているというマインドを持つことがスタートラインです。

派遣・契約社員 vs 正社員、公務員 vs 民間企業、子会社 vs 親会社、仕事にはさまざまな対立構造がつきものですが、愚痴を言ったところで解決することはないでしょう。

それよりも個人レベルであれば、待遇の差を是正しようと考えるよりも、高待遇側に移る方が圧倒的に簡単です。

そうは言っても人間なので、待遇差に実際に直面した時に悔しさや不満を感じることはあるでしょう。

それ自体は否定はしませんが、そのときに愚痴や文句を言うのか、その悔しさを自分自身のエネルギー源として自分がやるべきことをするのかが、自分の将来を変えるということは強く自覚すべきです。

 

現地採用のメリット

ここまでは主に現地採用の厳しい現実と、どのような点に注意すべきかについて紹介してきました。

比較的マイナス面にフォーカスした話が多かったように思いますが、物事は表裏一体なのが常であり、海外駐在員に比べた「現地採用」という働き方を選ぶメリットも存在しています。

先程と同じく、基本的に本サイトのテーマでもある「キャリアアップ」の観点から紹介していきます。

 

海外で働いた実績を作りやすい

まず最大のメリットはなんと言っても海外で仕事をしたという実績を作りやすいことです。

海外駐在のポジションを獲得するには能力だけでなくタイミングや運も必要であり、海外赴任のハードルは一般的に高いです。

一方で、日本の本社から赴任する海外駐在という働き方に比べて、現地採用の方が圧倒的に就職しやすい現実があります

海外で住むこと・働くことのプライオリティが高い場合は、「現地採用」は有力な選択肢の一つになるでしょう。

もちろん、将来のキャリアップのことを考えるのでれば、仕事以外の時間で外国語の勉強は並行して行うことで、ビジネスレベルの語学力を身につけるようにしましょう。

 

メモ

ちなみに、私の友人に海外赴任をして2年たっても語学の能力があがらない人がいます。

本人に聞いてみると、日系企業で職場では日本語を使う機会も多いので、仕事をしているだけでは全然語学が身につかないと言っていました。

本人は泣きながら夜な夜な勉強していると言っていました。

 

有名企業に就職しやすい

正確には、日本に本社のある有名企業の海外現地法人を指します。

海外に進出し、現地採用で日本人を採用したいという会社は、相対的に企業体力のある大手有名企業が多くなります。

「現地採用」という働き方をしたいという総数はそこまで多くないため、日本で就職するよりも有名企業に入りやすいのが一般的です。

特に、日本の大手有名企業の場合、日本本社への就職は競争率が高いため学歴で多くの人が実質的に足切りをされる現実がありますが、「現地採用」だと入社時に日本ほど学歴を求められないことも多く、入社するチャンスは広がります。

もちろん、企業のネームバリューよりも何をやったのか、何ができるのかが重要なのは言うまでもないですが、今後転職をしてキャリアップを考える上では、所属していた企業のネームバリューは選好突破率を上げる一要素になりえます。

 

キャリアチェンジしやすい

また「海外駐在」で海外に来ている場合、一般的に海外駐在中に他の企業に転職することは難しいです。

それどころか、一度海外赴任になった場合、健康上の理由や家族の事情など特殊要因がない限り、数年間は異動することができないのが普通です。

前回の記事で紹介したとおり、海外赴任に伴い引っ越しや各種手続きで会社は非常に大きな金額を負担しています。

1年程度で帰ってこられたら、費用対効果が合いません。

また、海外駐在員は現地法人において重要なポストを任せられていることが多いため、心理的にも早々と異動希望を出すことが難しいのが現状です。

そのような状況下では、転職するというのは心理的にも難しく、転職する場合も帰国してから他の企業に転職するというのが一般的です。

一方、現地採用の場合は、そういったしがらみも少ないので、よりキャリアの自由度が高いといえます。

 

現地採用で成功するためのコツ

また、かなり狭き門であることは前提になりますが、現地採用で入社したあとにいつかはその企業で「正社員」になりたいと言う人もいるでしょう。

やる気・能力・スキルなど一般的なことがらではなく、もう少し具体的なポイントについて考えてみたいと思います。

 

ローカルのスペシャリストになる

まずはローカルのスペシャリストになるという戦略です。

本社から来ている海外駐在員は基本的に業務のスペシャリストですが、ローカル情報には必ずしも強くありません。

そして、3~5年で帰国する人がほとんどであり、ローカル情報についてどこまで真剣に勉強するかは人それぞれかなり温度差があります。

たいていの海外駐在員は英語はもちろん活用しますが、現地のローカル言語まで習得する気のない人は数多く存在します。

当然、ローカル言語を活用できた方があらゆる場面での情報収集の精度は上がりますし、コミュニケーションの幅、リレーション構築の深さも変わります。

言語、エリア、社員、顧客など、”ローカル”という軸でスペシャリストになることは、存在価値を発揮しやすく、一目置かれやすいです。

もちろん、ローカルに強くなるということは、日本ではなくその国やその言語圏で働き続ける可能性が高くなるので、その点には注意が必要です。

逆に言えば、その国が非常に気に入っており、一生暮らしていきたいという考えている場合には有効な戦略と言えるでしょう。

 

特定業務のスペシャリストになる

意識した方がいいことは、“自分にしかできない領域”をいかに構築するかです。

その会社で今後も続く可能性の高い”特定業務”についてのエキスパートになる方が、人が変わっても業務は残り続けるのでおすすめです。

基本的には、小さな領域に深く精通することで自分の”専門領域”を構築し、徐々に周辺領域に広げていくのがよいでしょう。

私自身何人か「現地採用」で活躍し、その後、正社員になりキャリアアップをしていった人を知っていますが、共通しているのは「自発的な行動力」を持っていることです。

言われたことをするという受身の姿勢ではなく、積極的に行動する力が、海外という日本とは違う環境ではより求められているのだと思います。

海外においては、いかに自分で考えて行動できるか、が重要だと思います

 

 現地採用の選択は計画的に!

現地採用を検討した時、現地採用を斡旋する会社が数多く存在しています。

そのときに、過去の現地採用から正社員になった人、拠点長を任された人などの一例を上げながら、現地採用の魅力をアピールしてくることもあると思います。

何事もそうですが、一歩引いた視点で、冷静にキャリアアップについて考えることをおすすめします。

私もこのサイトでは、私なりのベストアンサーをご紹介していますが、当然個々の状況に正解は異なると思います。

そもそも、正解などというものは存在しないのかもしれません。

それでも、私たちは常に何かしらの選択を迫られているので、最終的には自分でよく考えて自分なりの答えを出さなくてはなりません

今回の記事含めて、このサイトで発信している情報が皆さんの何らかの意思決定の少しでも役に立つことができれば幸いです。.

  • この記事を書いた人

BON

転職経験3回の年収1200万のサラリーマン

営業職から職種を変えるキャリアチェンジ転職を経験し現在はマーケティング職に従事。

「やりたい仕事」「年収をアップ」を実現することがモットーです。

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