私はプロフィールにも記載していますが、営業職からマーケティング職に職種転換をしたキャリアチェンジ転職の経験者です。
前回は未経験の職種に応募するときの職務経歴書の書き方について紹介しました。
今回は、キャリアチェンジ転職における「面接対策」で、注意すべきことをご紹介します。
キャリアチェンジ転職のポイント
まずは職種を変える転職をするキャリアチェンジ転職者を採用する企業側の視点になって考えてみましょう。
企業としても「未経験者」を採用するにあたりリスクを負っているため、いくつかの点で不安を抱えているはずです。
企業の不安
未経験者のハンデを乗り越えて、我社で活躍できるだろうか?
本当はただ逃げ出したいだけでは?
今回も長く続けられないのでは?
キャリアチェンジ転職においては、通常の転職時の自己アピールと同時に採用企業の不安を払拭していく必要があります。
キャリアチェンジ7つの頻出質問
では、具体的にキャリアチェンジ転職におけるよくある質問とそれぞれの質問の意図、回答方針について考えていきましょう。
【退職理由】なぜ、今の会社を辞めたいのですか?
転職活動で必ず聞かれる質問です。
キャリアチェンジにおいては、おそらく多くの人が現状の職種に不満を抱えていると思いますが、不満を述べるのは得策ではありません。
面接担当者は「今の仕事から逃げ出したいだけでは?」「採用してもまた嫌になって辞めてしまうのでは?」という不安を抱えていますので、ネガティブな答えは封印しましょう。
基本的には、退職理由を聞かれていますが、新しい職種につきたい前向きな理由・明確な意志をアピールするのがポイントです。
ココがポイント
ネガティブな理由ではなく前向きな理由を
新しい職種につきたい明確な意志表示を
【志望動機①】なぜこの職種に応募したのですか?
退職理由ともつながってくる話ですが、職種への応募理由に関するポイント一つお伝えしておきます。
それは「前からなんとなく憧れていた」という想像やイメージを元にしたものよりも、 よりリアルな実体験に基づく理由をアピールすることがおすすめです。
アピール例
一緒に○○職種の人と仕事をして興味を持った
自分の今の仕事の○○という部分が得意で、そこをもっと突き詰めようと思うとこの職種の方がいいと思った
面接官は応募者が自社にフィットするか、長く働いてくれるかを気にしていますが、未経験者は経験がない分、正しくこの職種の仕事内容を理解していない可能性があることを懸念しています。
その際に、想像や憧れで希望職種について語るのではなく、実体験を通したリアル仕事内容に基づいた見解を語らる方が、面接官としては安心して採用することができます。
ココがポイント
職種の応募理由は、実体験に基づくリアルなものを
【志望動機②】なぜこの業界・会社に応募したのですか?
この質問も転職活動ではごく当たり前に聞かれるものですが、キャリアチェンジ転職では先程と同じく未経験者である応募者が「業界・企業」を正しく理解しているかを確認することも目的とした質問です。
同業界の出身者であれば、業界知識が豊富なので入社前後のギャップがあまりないと想定されるので採用側も安心です。
もし応募する企業が、全く別の業界である場合は、しっかりと業界・企業研究をした上で面接に臨む必要があります。
ココがポイント
業界・企業に対してしっかりと研究してきていることをアピール
【業務内容】入社後は、どんな案件を担当したいですか?
この質問は未経験者がイメージしている仕事内容と実際の仕事内容にギャップがないかを確認する質問でもあります。
「なんでもやります」という姿勢自体は採用後であればよいですが、面接においては「何も考えていない」「知らない」と捉えられかねません。
面接官に、安心して採用してもらうためにも、しっかりと仕事内容を理解していることを伝える必要があります。
また、自分の現在の仕事経験の接点のあること(経験のある業種など)を希望するのは、「未経験者」でも成果を上げやすいのでおすすめです。
ココがポイント
「なんでもやります」は面接時には要注意
現在の仕事と関連があるとベター
【将来展望】今後どのような仕事をしたいですか?
この質問はいくつかの意味合いがあると思いますが、まず一つは先程の質問と同じく未経験者がイメージしている仕事内容と実際の仕事内容にギャップがないかを確認する質問でもあります。
描いている将来像が、その企業で経験できることから逸脱し過ぎていると要注意です。
またこの質問に限らず、5年後や10年後など将来に関する質問では、応募者がどれだけ業界のことを理解しているか、また高い視点で課題感を捉えれていることができているかということも見られています。
「今後この業界は〇〇の方向に進むと思うので、そのとき御社はXXというポジションを確立すべきで、私は△△の領域でその躍進に貢献したい」のような一貫性のある回答を準備しましょう。
ココがポイント
業界・企業研究をした上で、自分が企業にどういった形で貢献したいか伝える
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【未経験】未経験の職種でもうまくやっていけると思いますか?
未経験職種への対策・準備・やる気についての質問です。
ここでは「未経験者」であるハンデを冷静に認識していること、ハンデを克服するための具体的な準備と熱意があることを伝えましょう。
未経験者にも関わらず、根拠がなく「自分ならできる思っています」というのは現状認識が甘いですし、一方で「未経験者なので、なんでもやります。がんばります。」という姿勢もあまりにも無策です。
未経験のハンデを克服するためのアピール方法はいくつかありますので紹介します。
現職の経験を活かす
これが一番重要です。
未経験者の転職の場合、まれにゼロからキャリアを積み上げようと考える人がいますが、それは得策ではありません。
新しい職種だとしても、必ず過去の自分の経験の中で活かせることはあるはずですので、その部分をピックアップして伝えていくとよいでしょう。
自分の努力や行動を伝える
資格の取得やスクールの通学実績など、経験不足を補うために自分自身が”具体的に行動していること”を伝えます。
経験は足りなくとも能力があることを示すとともに、自分自身のやる気や情熱を間接的に伝えることが大切です。
経験不足を補う対策は、資格取得やスクールに通うだけではありません。
こちらの記事で他の対策も紹介しています。
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同職種経験者との差別化
未経験者の実務経験の乏しさという弱みは、裏を返せば他の人は経験していない実務経験を保有しているというユニークな強みにもなります。
その部分に上手にフォーカスすることができれば、他の応募者と比べて差別化を図ることができます。
ココがポイント
新しい職種でも、現職の経験を活かす
未経験であることを補うための、具体的行動を伝える
自分のユニークネスに注目する
【未経験】これまでの困難とどうやって乗り越えたかを教えて下さい
これも面接の定番の質問ではありますが、キャリアチェンジ転職の場合は、転職したあとも経験値が少ないことにより、困難に立ち向かうシチュエーションは多いはずです。
自分が経験していない未知の領域に立ち向かった経験、どのようにキャッチアップし成果を上げることができるかが問われています。
この時に未経験者の方におすすめしたい返答のポイントして、下記を意識して回答を組み立てるとよいと思います。
ココがポイント
自発的な行動
結果にコミット
過去の実際の経験
自発的に行動をできているか?
未経験者は経験・知識・スキルが不足しているので、それをカバーするだけの熱意・ガッツは最低限持っておくことが重要です。
実務において、わからなかったらすぐ聞くという行為は必ずしも間違いではありませんが、面接においては「自分で調べる・勉強する」「過去の類似経験をヒントに自分なりの回答を考えてみる」など、自分自身で問題解決に向かう行動力を示すことは重要です。
成果にコミット
一方でガッツだけ示すだけでは、全体が見えていません。
中途採用の目的は転職者自身の成長ではなく、あくまで会社への貢献です。
そのため、自発的に問題解決に動きつつも必要とあれば、他の人の協力を仰いだり、関係者を巻き込むことで、あくまで仕事の成果にコミットしていることは忘れないように伝えていきましょう。
過去の実際の経験
考えを述べるだけでなく「実際に過去にも似たような経験がある」という実績は重要です。
仕事をしていれば困難を解決した経験は必ずあるはずですので、「自発的な行動」「結果にコミット」というキーワードを意識しながら過去のエピソードをまとめておくとよいでしょう。
ココがポイント
過去の成功体験を整理しておく
自立的な行動と成果に対するコミットのバランスを意識する
注意したいNG回答例
ここまででもいくつか触れてはいますが、改めて注意したいNG回答例について紹介しておきます。
「ここで成長したい」「勉強させてもらいたい」
もちろん、未経験なので早く成長する、勉強することは重要ですが、面接の場面ではこれを強調するのはおすすめできません。
あくまで企業に成長させてもらうのではなく、企業の成長に貢献するのは自分であるいうことを忘れないようにしましょう。
「なんでもやります」
採用後のスタンスとしてはよいと思います。
特に若いうちはそのようなスタンスで仕事に臨むことはとても重要です。
一方で、「何も考えていない」「仕事を理解していない」と捉えられかねないので、採用する側は不安になります。
もちろん、「○○の職種って地道な作業がとても多いけど、やれますか?」というストレス耐性や我慢強さを問われている質問の場合は「やります」という回答は間違いではないでしょう。
そうではなく、オープンクエションである「何をやりたいですか?」という質問に対しては、何かしら具体的な答えを用意することが大切です。
面接合格率をアップさせる近道
キャリアチェンジ転職の面接での回答のコツを紹介してきました。
一方で、面接回答の仕方以外でも、面接の合格率を上げる方法があります。
それは、他の人に推薦してもらうという戦略です。
そんなことできるの?と思った方もいるかもしれませんが、転職エージェントを使うことで実現できます。
転職エージェント
確かにこの方は職務経験はありませんが、○○なところが御社の求める人物像にフィットすると思います
という強い推薦を入れてもらうことができれば、単独で面接に臨むよりも選考突破率は上がるでしょう。
私が通常よりも難易度の高いキャリアチェンジ転職での選考突破率を上げるためにも私は転職エージェントの活用をおすすめしています。
もちろん、推薦してもらうだけでなく、面接の受け答えに不安があるのであればアドバイスを受けることも可能です。
私は「営業をやめたい」と思い、営業職から未経験の職種に職種転換をしましたが、私の経験から転職エージェントの選び方・活用方法のポイントをご紹介します。
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私は営業職を約6年間経験してから、異業種、異職種への転職を経験しています。 いわゆる、営業を辞める転職=キャリアチェンジ転職です。 現在は、自分がやりたかったマーケティングの仕事で、年収1000万 ...
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キャリアチェンジ転職に向けて
未経験の職種にチャレンジするキャリアチェンジ転職では、面接でも一工夫が必要です。
今回ご紹介したように基本的には、「未経験者」を採用する企業もリスクを負っていることを理解することが重要です。
面接では、その不安を一つずつ払拭する作業とも言えると思います。
このサイトでは、他にもキャリアチェンジ転職に役立つ情報を発信していますので、興味があれば他の記事もぜひご覧ください。