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感想・書評|マーケティグの仕事の年収のリアル(山口義宏)|転職おすすめ本レビュー

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マーケティングの仕事と年収のリアルのレビュー感想

仕事や年収を考える上でおすすめの書籍を紹介するシリーズ。

今回は、Twitterで2万人のフォロワーを抱える山口義宏さんのマーケティグの仕事の年収のリアルを紹介したいと思います。

「○○のリアル」と書いておきながら、当事者からするとあまりリアルに感じない本に出会うこともありますが、この本は事業会社と支援会社の両方のサラリーマン経験のある私にとっては非常にリアルな内容でした。

山口さんがところどころで紹介するキャリア構築における陥りがちな状況は、かつて私も経験し悩んでいたものが多く非常に共感しながら読み進めることができました。

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この本で伝えたいこと

山口さん自身が書かれていますが、この本で伝えたいことは下記の2点です。

ポイント

【1】マーケティングの仕事 = キャリアの成長ステージを遠くまで俯瞰し、成長プランを考える視点

【2】自分の特性に合った成長機会と、年収を高めるのに最適な環境を選ぶ判断材料

キャリアの成長ステージを遠くまで俯瞰するというのはどの職種でも通じることだと思います。

私が営業職を辞めたときも成長ステージを長いスパンで考えてみたときに、自分はもっと自分に合った他の仕事=マーケティングがしたいと思うようになりました。

年収を高めるのに最適な環境を選ぶ判断材料という視点も非常に重要だと思います。

他の記事でも私が何度となくお伝えしていますが、

ココがポイント

年収は個々人の努力・能力よりも、所属する業界・企業で決まる

この本でも給与の高い一握りの企業とそれ以外の企業が存在することを指摘しています。

特にマーケターという職種は「好きでやっている人」が比較的多いので、ついつい若いうちは年収のことについてあまり深く考えないこともありますが、自分の置かれている環境を冷静に考えることは非常に重要です。

 

この本の構成

まずはマーケティング業界の仕事・組織・待遇のリアルな実態について解説からはじまります。

そこでは多くの人の目標年収でもある、年収1000万円超のマーケターになるための比較的現実的なアプローチも紹介されています。

そして、マーケティング職種のキャリアステップを6つのステージにわけて紹介し、それぞれのステージにおける注意点について言及したあと、最後はマーケティングのキャリアを築くパターン・事例を紹介するという全体の構成になっています。

マーケ職の年収も含めた体系的なキャリア論として非常にわかりやすくまとまっていると思います。

当事者として非常にリアルに感じます。

特に若手マーケターにとっては必読書といってもよいと思いますので、ぜひ実際に本書を読んで頂くことをおすすめします。

 

ここからは特に個人的に共感した点、新しい視座を得られた点をピックアップして紹介したいと思います。

 

年収1000万円に到達するには?

マーケティング職として働く上では給与の高い一握りの企業とそれ以外の企業に二分されると説明されています。

年収の高い企業は、電通・博報堂などの大手広告代理店と外資系大手事業会社。

このような企業に所属している人は、年収1000万円をターゲットに考えるのであれば、乱暴にいえば緻密にキャリア戦略を考える必要はありません。

社内評価さえ押さえておけば、昇格と連動して年収は1000万円を超えます。

知っている人は知っている、とても生々しい情報だと思います。

元々中小企業で働いている私からすると最初は面食らったのですが、現実はさらにすごいものがあります。

「社内評価」を押さえる必要もなく、少し大げさにいえば「懲戒」になるような悪いことをしない限りは、何もしなくても勝手に年収1200万位になる会社もあります。

一方、「それ以外」の企業に所属しているのであれば、それ相応の努力と実力、そして運がなければ年収1000万円に到達するのは簡単ではないでしょう。

中小専門特化支援会社であれば年収1000万円は部長~取締役以上のクラスが一般的でしょう。

私の個人的な経験からも、「それ以外」の企業で年収1000万円を目指して努力するのであれば、少し転職活動の努力をして高年収の企業を見つけて転職する方が圧倒的に難易度は低いと思います。

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高年収企業で働くデメリット

またこの本では、高年収企業で働くデメリットとして、早めに年収が上がることによって転職をしづらくなるということを指摘しています。

これも実にその通りだなと思います。

というのも私自身の知り合いや友人で非常にもったいないなと思う人材を何人も見てきました。

基本的に高年収企業は大企業なので、個人より組織の論理が優先された結果、個人の成長がないがしろにされるような不遇の人事に揉まれ成長スピードが上がらない人がいます。

本来であれば、転職を考慮に入れながらキャリアアップを積極的に図るべきだと思うのですが、年収が下手に高いため文句を言いながらもその企業に留まります。

高学歴卒で素頭のよさは感じるのですが、仕事をしてきた領域が狭すぎるが故に経験値が浅すぎ、自発的なキャリア構築を考えたことがないので産業構造に関する視野も狭い。

そのため、仕事のパフォーマンスは期待できないという高学歴低パフォーマーを何人も見てきました。

 

社会人3年目までは非常に大事

個人的には、新卒で働き始めてから2~3年程度は「目先のお金のことは考えすぎずに、仕事に専念するスタンス」 が重要

一人前に仕事ができないうちに、キャリアやお金のことばかり考える姿は、上滑りで滑稽です。

若手時代は仕事に専念するスタンスの重要性についても言及されていますが、私もこの考え方には非常に賛成です。

また仕事に打ち込むだけでなく、どのように仕事な態度・スタンスで仕事に向き合うのかというのも非常に重要だと思います。

「三つ子の魂百まで」とよく言ったもので、社会人1~3年目までに構築する仕事に対するスタンスは、その後の自分の仕事の価値観やパフォーマンスに大きな影響を与えることは誰しもが納得できることでしょう。

特に広告代理店の人材に多いのですが、体育会系の文化がまだ根強く残っており、「上司や先輩の言うことは絶対」という、はっきり言えば時代遅れの考え方を仕事スタンスとして押し付けられすぎて、自発的に考え行動する能力が退化してしまう人材がいます。

もちろん、上司や先輩の言うことに耳を傾けるのは大事ですし、起業家ではない凡人サラリーマンである以上、自分とは違う価値観のある人とうまくやっていく能力も重要です。

それでも、この変化の激しい時代に上司や先輩の言うことは必ずしも正解ではありません

 

自分の流派を見極めているのか?

この書籍ではマーケターを8つのタイプ分けしてそれぞれの流派があるとし、下記のような指摘がされています。

自分に合う流派、合わない流派を見極めておくと、余計な衝突やキャリアの回り道が減ります。

キャリアの回り道を散々してきた私からすると、回り道をした事自体が今の自分の強みを形成しているとも言えるので、回り道自体を悪いことだとは思っていないのですが、自分の流派・スタイル・強みを見極めておくことは非常に重要だと思います。

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そして転職を繰り返してきた私からすると、各企業に様々な流派の人間がいますが、それぞれの濃度(流派の割合)の違いというものが存在しており、それはいわゆる会社の風土・社風や行動指針として組織の文化を形成します。

この企業風土が自分の流派と合わないとストレスはかなり高くなることを経験を通して実感しています。

 

たとえば会社によっては、「何も考えなくても行動したこと」を評価される企業もあれば、「何も考えずに行動したこと」は愚かなことだと一蹴される会社もあります。

 

マーケキャリアの6段階

特に若手マーケターには必読の項目です。

この全体像を俯瞰した上で自分のキャリアを考えることは非常に重要だと思います。

マーケティングのキャリアの6段階

ステージ 1:マーケティング業務の見習い

ステージ 2:特定業務の担当者(ワーカー)

ステージ 3:特定領域の専門家(スペシャリスト)

ステージ 4:マーケティング施策の統合者(ブランドマネジャー)

ステージ 5:ブランド・マーケティング全体の責任者(CMO)

ステージ 6:マーケティングに強い経営者( CEO)

まずはステージ3の何かしらの専門領域に特化した「狭くても深いプロ」を目指すのが王道と紹介されています。

これも非常に重要な視点であり、何かしらの自分の土台・立脚点となるものを作り上げておくことはいろいろな場面でレバレッジが効きやすいと思います。

と言っても、山口さんも指摘されていますが王道と言いながらも簡単なことではなく、大半の人はステージ3の入り口で評価が停滞しやすいものです。

そのため、ステージは3となっていますが、ステージ3を突き詰めて会社レベルではなく業界レベルで名が売れるレベルになることはそれ自体がキャリアのゴールとも言えるでしょう。

また個人的には、ステージ5、6になるのはかなり相当限られた人間なのであり、ステージ3&4とステージ5&6の間には相当大きな壁があると思います。

多くのマーケターはステージ3、4で終了するか、ステージ3と4の部門の中間管理職がゴールとなりそうです

 

本当の成功を見極める力

メディアで成功扱いされている施策について、本当にそれが成功かどうか疑ってみる姿勢の重要性についても言及しています。

文脈としては「マーケティングには決まった正解もないから、自分の頭で考つづけることが重要」というマーケティングの面白さ、マーケターに求められるているスタンスを紹介している部分ですが、メディアの成功事例を疑うというのは本当に重要だと思います。

私の経験上、本当に成功している事例の方が少ないのではないかと思うくらい、一部の情報だけを切り取られているものが多いと思います。

施策の成功事例だけでなく、著名人のコメントや見解も鵜呑みにせず、疑ってかかるくらいの姿勢がマーケターには必要だと思います。

メディアやTwitterで持てはやされている人が、実際は自分の貢献度は低いのにあたかも自分の成果のように話していることはざらですし、評論家・コメンテーターとしては一流でも実務家としては三流というのはよくある話です。

自分が薄く関わっただけのプロジェクトでも、さも自分が主軸となって成果を出したと喧伝するような「あれオレ詐欺(あの成功案件はオレがやりました)」ともいえる売り込みをかける人をたまに見かけます。

「○○の立ち上げに参画」ほど胡散臭い肩書はないですね

 

マーケターも社内政治が必要?

山口さんはマーケティングのキャリアのステージ4からは、社内外との折衝が重要になってくるということを指摘されています。

ステージ4からは、 業務が自分ひとりで完遂できなくなり、さまざまなマーケティング施策を連携・調和させる調整業務など社内政治の比重が一気に高まります。

画期的で素晴らしい商品の仕様やデザインができても、生産部門から突き返されて、なんとか実現できないか交渉することになったとします。論理による説得もあれば、飲みに行って関係を深めるような泥臭い手法が有効なこともあるでしょう。

私自身としてもこの指摘は非常に「リアル」だと感じており、非常に共感しているポイントであります。

また、私は元々営業職から職種転換をしてマーケターになった人間ですが、営業職時代に培った経験がこのステージで非常に生きてきます

特に事業においては、どんなにいい企画も実現されなくては価値を生み出すことができません。

利害関係を調整し、物事を実現させていく力、関係者を巻き込む力は、ステージ4のマーケターには必須スキルと言えるでしょう。

 

マーケターに向いていない人とは?

多くの部下育成に関わってきた山口さんは、マーケターに向いていない人として、以下のように紹介しています。

どれほど頭が良く優秀であっても、正解がない答えの模索を楽しめない人は、ストレス耐性の面でマーケティングの仕事には向いていないと感じています。

これも非常に納得できます。

逆に、世の中のトレンドに対して自然と「なぜ?」ということを考えることが好きで、自分なりの仮説を立てて検証をしていくのが好きという人はマーケターに向いていると思います。

マーケティングのフレームワークや分析スキルなどの知識・スキルも重要ですが、そもそも思考することが好きという適性の方が重要です。

そういう素養があれば、知識や経験が足りなくてもどんどん伸びていきます。

 

キャリア構築は3年を目処に見直す

山口さんは自身の採用と育成の経験から、一人前になるまで最低でも2~3年はかかるという実感を示した上で、マーケティングの特定領域は陳腐化も早いのでせいぜい2~3年程度を上限に変化に合わせて臨機応変にキャリア構築について考えるべきと書いています。

特に経済的なキャリアを志向する=高い年収を求めるならば、自身のスキルの市場性は意識しておくべきと強調しています。

市場で高評価されるものと、高く評価されないコモディティ化した専門性が混在している

自分が時間投資して鍛えている専門領域は、「市場おいて需要と供給の関係性がタイトで、供給過多とならない、差別化される専門性か?」 という冷静な視点をもっておく

私の経験から言えば、マーケターとして生きていくのであれば、転職はスキルアップの一つの重要な手法になりえると思っています。

少なくとも私のような凡人には、有効な手法だと言えます。

変わりゆくトレンドの中で、常に市場価値の高い専門領域に身を置き続けるのは、一つの会社では実際はかなり難しいです。

その会社自体が先進的な取り組みをし続ける必要がありますし、一つの会社でそのような取り組みに関わり続けるためには、継続的に成果を出し続けて仕事を自分で選べるようになっていることや、運も非常に重要となってきます。

転職をすると客観的に自分が狙いたい分野に強い企業を選ぶことができ、比較的能動的にキャリアを作りやすいです。

マーケティング業界で10~20年経って、後から評価が急浮上した遅咲きの人はいません。

一つのことを愚直に続けることは非常に重要なことでもあるので否定はしきれませんが、現実的に考えることも非常に重要であると思います。

私の経験では転職して企業や職種を変えることで、今までの低パフォーマンスが嘘のようなハイパフォーマーに生まれ変わった人も何人か知っているので、一社でくすぶり続けているのであれば転職を検討することをおすすめしたいです。

 

これからのマーケターは何を学ぶべきか?

「自分の評価を高めるためには、今の専門領域にもっとくわしくなること」と一途に信じている人が多い

山口さんは以上のように指摘し、それが本当に正しいのか?という疑問を投げかけています。

そして、同じ専門領域を深堀りするだけでなく、「隣接領域の他の専門知識を身につけること」「ひとつ上のステージの専門知識」を学ぶことの重要性を説いています。

この周辺領域の知識を強化することで、相互作用で高いパフォーマンスを実現するというのは、私自身が実際に経験しているので非常に納得感がありました。

自分では到底到達できないような一つの専門領域を極めているスペックの高い人とも、ビジネスという戦場で渡り合えるのは、複合的な知識や経験を組み合わせているからにほかなりません。

一つの専門領域で勝負するのは本当に難易度が高いことでと実感しています。

抜きん出た才能がないとそれ一本で勝負することは難しいです。

冷静に自分の能力を見極めた上で、どのような知識や経験を強化することで、自分が勝負していくのかは定期的に見直しながらキャリア構築をしていく必要があるでしょう。

私自身もまだまだゴールでは継続的にキャリアについては考えつづけ、アップデートし続けています。
  • この記事を書いた人

BON

転職経験3回の年収1200万のサラリーマン

営業職から職種を変えるキャリアチェンジ転職を経験し現在はマーケティング職に従事。

「やりたい仕事」「年収をアップ」を実現することがモットーです。

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