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感想・書評|イノベーション・オブ・ライフ(クレイトン・クリステンセン)キャリアおすすめ本レビュー

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イノベーションオブライフ_レビュー感想

キャリアや転職を考える人に参考になりそうな書籍を紹介するシリーズ。

今回は、ハーバード・ビジネス・スクールのクレイトン・クリステンセン教授の「イノベーション・オブ・ライフ」を紹介したいと思います。

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クレイトン・クリステンセンとは

普段ビジネス書を読む人であれば、クレイトン・クリステンセン教授の名前を聞いて真っ先に思い浮かべるのは、名著「イノベーションのジレンマ」ではないでしょうか。

巨大企業が新興企業の前に力を失う理由を説明した企業経営の理論として1997年に発表されて以降、今では当たり前のように「イノベーションのジレンマ」という言葉は使われています。

そして、お気づきの通り、クリステンセン教授は、経済学者・経営学者です。

この本のユニークなところは、巷にある自己啓発本や人生の指南書が著者個人の過去の成功体験に基づくのに対し、本書では著者な経験だけでなく、裏打ちされた経営学の理論をベースに、個人のキャリア・プライベートな人間関係も含めた人生の幸せについて考察した書籍になっていることです。

本書でも、教授自身も「何かを経験する前に、これから起きることを説明してくれる」のが理論の魅力と書かれています。

再現性の高さ、自分自身の状況に応用を効かせやすいのが理論の魅力でしょう。

 

本書の構成

本書は大まかにわけると大きく2つのパートで構成されています。

本書の構成

前半:幸せなキャリア・仕事について

後半:幸せな家族・友人との関係について

前半では、主に仕事のキャリアについて、後半では、家族・友人との関わり方について、どのようなスタンスで望むことが幸せな人生につながるのかのヒントや示唆が理論と共に紹介されています。

実際に名門ハーバード・ビジネス・スクールで学生たちに教えていることが本書には盛り込まれているとのことで、読み手の興味を掻き立てます。

仕事・キャリアについてはもちろんですが、人間関係も含めたいわゆるワークライフバランス全体について、論じている書籍です。

このサイトは主にキャリア・転職に関する情報を発信しているので、今回は深堀りしませんが、配偶者の夫婦関係、子育てのことにも結構なボリュームを割いて書かれています。

ハーバード・ビジネス・スクールの教授がどのような子育て方法を推奨しているのか知りたい人は、教育書の参考としても本書をよく読んでもらっても面白いかもしれません。

子育て本としても面白いと思います。

さて、この本の全体の内容をまとめる詳細の要約については、他のサイトに譲るとして、このサイトでは主に「キャリア・転職」という切り口を中心に、個人的に気になったポイント・参考になった点についてピックアップしていきたいと思います。

 

自分のモチベーションを知る

フレデリックハーズバーグの理論を元に、人が働くモチベーションは大きく2つあると説明しています。

一つは、衛生要因で、もう一つは動機づけ要因です。

ココがポイント

衛生要因とは?

少しでも掛ければ不満につながる要因。

ステータス、 報酬、職の安定、雇用条件など。

動機づけ要因とは?

仕事そのものに内在する仕事への愛情を生み出す要因。

心理学を勉強している人は、外発的動機と内発的動機と置き換えると理解しやすいかもしれません。(他者による評価は外発的要因に含まれると思いますが)

いずれにせよ、この2つを混同している人が多いので、この2つの要因をしっかりと区別認識することが重要と書かれています。

 

「年収とやりがい」どっちが大事?

主に高年収を稼ぐ可能性が高いハーバード・ビジネス・スクールの学生に対してのメッセージでもあるのでその点に注意が必要ですが、キャリア選択において金銭報酬を重視し過ぎることに警鐘を鳴らしています。

「金銭を追い求めても、せいぜい仕事への失望感を和らげるのにすぎない」とバッサリ切り捨てています。

また、金銭、ステータスなどは一定水準を超えると、幸せを生み出すものではなく、幸せがもたらす副産物に過ぎないとしています。

以前に、年収と幸福度の関係について記事に書きましたが、ここで紹介した結果と同様のことが指摘されています。

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高年収の魔力

また教授はこれまで「いつかは自分のやりたいことをするが、今は稼ぐ時期なんだ」と自分に言い聞かせながら、働き続けている人がいるということにも触れています。

人は一度高年収になるとついつい生活レベルをあげてしまい、年収を下げることができなくなってしまうことが多いと書かれています。

結果として、いつまでたっても本当に自分がやりたいことができずに、知らず知らずの内にどんどん歳を取ってしまい、年収は高いけれでも自分がやりたいことをしていない幸福ではない状態に陥ってしまいます。

 

やりたい仕事をしよう

いいことわざが本書の中で紹介されています。

自分の愛することを仕事に選びなさい。そうすればあなたは一生のうち、一日も働く必要がなくなる。

年々、自分の好きな仕事をしようという風潮が強くなっているように思います。

私自身もこの風潮には激しく同意しており、サイトのテーマとして「やりたい仕事をして、年収をアップする」ことを掲げています。

やりたい仕事をすることそのものが人の「動機づけ要因」となって幸福感に繋がることはもちろん、やりたい仕事をすることこそが、「年収アップ」に繋がると真剣に思っています。

本書でもそのことが指摘されています。

動機づけ要因に満ちあふれたキャリアは、金銭的報酬が高いことが多い。

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キャリアの偶然のチャンスを逃さない

現在生き残っている企業の多くが、最初から計画されたとおりに事業を展開しているのではなく、状況に応じて事業を予期せぬ形で変化させてきたことを紹介しています。

つまり、環境変化に合わせて柔軟に戦略を変更することの重要性を説いています。

その理論をキャリア戦略にも応用しており、戦略を2つに分類しています。

ココがポイント

【1】意図的戦略

計画を先に立て実行していく戦略

【2】創発的戦略

事前の計画ではなく実行中に生じる予期しない問題や機会に対応する戦略

創発的戦略という訳がわかりづらいのですが、偶然生じる機会をチャンスとしてとらえて柔軟に戦略を変えていくことが重要という風に私は解釈しています。

キャリア論として著名な「計画的偶発性理論/計画された偶発性理論(プランドハップンスタンスセオリー)」と言っていることはだいたい同じと考えてよいと思います。

計画的偶発性理論(プランドハップンスタンスセオリー)

スタンフォード大学のクランボルツ教授により提唱された理論

個人のキャリアの8割は予想していない偶発的なことのよって形成されていることとして、その偶然すらも計画に組み入れて自分のキャリアを臨機応変に変えていこうとういう考え方

私自身も多くの偶然を機会と捉えて、キャリアを創ってきた自負があるので非常に共感しました。

もう自分のやりたいことがはっきりしていて、かつ高い報酬も得られそうであれば、意図的戦略をとり、そうでなければ創発的戦略を取ることを著者は推奨しています。

 

偶然のチャンスを”呼び込む”ヒント

まだ自分のやりたいことが不明瞭かつ高い報酬も得られそうなキャリアの選択肢が見えていないのであれば、新しい偶然の機会を求めて積極的に外に出て行動をすべきと書かれています。

じっとして自分の中だけで考えても、いつか答えがひらめくというものではない。

外へ出ていろいろな物を試しながら、「実験」を重ねる中で自分の道を切り拓いていくべき、というのが本書のメッセージです。

変化の多い時代に対応するために、変化に柔軟にキャリア戦略を持つことを必然の流れだと思います。

 

偶然のチャンスを”掴む”ヒント

本書の中では、企業戦略の事例を例にとりながら、成功の鍵は有効な手法を見つけるまで試行錯誤を続けられるかという忍耐力・継続力にかかっているとしています。

先行きの読みにくい不透明な時代では、最初から「結果的に」成功する戦略を持っているのはほんの一握りの幸運な企業だけです。

状況に応じてさまざまな機会を試す、方向転換をする、戦略を調整し続けることが、衛生要因(高い報酬)を得られ、動機づけ要因(やりがい)を両立する仕事を見つけられる鍵になると示されています。

私自身も一見すると遠回りして、現在の仕事にたどり着いた人間なので、非常に共感しました。

私自身の体験から付け加えることがあるとすれば、「遠回り」をしている中ですべてをゼロリセットしながら仕事をしていくのではなく、少しずつ武器を積み上げていくのが重要だと思います。

アップル創業者のスティーブ・ジョブズの有名なスピーチに、コネクティング・ドット(点と点をつなげよ)というものがありますが、一見バラバラに見える一つ一つの点に関連性を持つことを信じて、目の前の仕事に取り組むことが重要なのだと思います。

私は営業を辞めてマーケティングの仕事をしています。

今でも自分は営業に向いていないと思っていますが、、営業経験がマーケターの今は武器になっていることは何度も強調しています。

遠回りは結果的にプラスに働くこともあると信じ、日々の仕事に打ち込むことは大切だと思います。

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資源の配分という考え方

企業であれ人生であれ、実際の戦略は、限られた資源を何に費やすかという、日々の無数の決定から生まれる

という経済学者らしいアプローチが提示されています。

また、達成動機の高い人が陥りやすいリスクとして、短期的な成果を生む活動を重視しすぎることを挙げています。

仕事の方が達成感を短期的に感じやすく、子育てはすぐに結果が帰ってくるような活動ではないので、ついつい後回しにしがち。

その結果として、大事なものを失ってしまう。

仕事を優先しすぎることへの警鐘として、時間配分の重要さを説いています。

わたしたちが自分の戦略に対して行う投資ーそれが積もり積もって人生になる

この文章を読んで「1日は、人生の縮図である」という言葉を思い出しました。

仕事で大きな成果を残したい、仕事で年収を上げたいという上昇意欲のある人ほど気をつけなくてはいけないポイントだと思います。

私自身も仕事を通して、年収も上げたいし、やりたい仕事をしていきたいという強い思いを持っているので注意しなくてはいけないと思っています。

特に、ワークライフバランスが見直されつつある日本ですが、他の国に比べると比較的労働時間はまだ長いほうです。

このサイトでも年収を上げることを一つの目標にしていますが、それだけに囚われるともっと大切なものを見失うリスクがあることは肝に銘じておいた方がいいでしょう。

「今自分が何に時間を使っているか」の積み重ねが自分の人生になるということを忘れないようにしたいですね

 

おわりに

アメリカの方なので、日本人よりもそもそも”家族”を大事にするべきであるという国民性があることは考慮に入れたとしても、一読の価値はある書籍だと思います。

特に、個人的にキャリアに関するトピックとして、ゆっくりとした大きなトレンドである下記の要素について考えるとてもいいきっかけになりました。

ポイント

・やりたい仕事は選ぶことは高い年収よりも重要なことなのか

・産業構造の変化が激しい時代において、どのようなキャリア戦略で対応すべきか

・自分が幸せになるためのワーク・ライフ・バランスとはどのようなものか

すべてのことに対してはっきりとした答えが出たわけではありませんし、おそらく時代や自分自身の年齢とともに少しずつ変化していくものだと思います。

その中で重要なことは、考えることを辞めず自分なりの答えを模索し続ける、変化することを前提に今時点の答えを持つこと、なのだと思います。

  • この記事を書いた人

BON

転職経験3回の年収1200万のサラリーマン

営業職から職種を変えるキャリアチェンジ転職を経験し現在はマーケティング職に従事。

「やりたい仕事」「年収をアップ」を実現することがモットーです。

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