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感想・書評|35歳までに読むキャリアの教科書(渡邉正裕)|転職おすすめ本レビュー

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35歳までに読むキャリアの教科書(渡邉正裕)

転職・キャリアに関するオススメの書籍を紹介するシリーズ。

今回は、職を変える転職、すなわちキャリアチェンジ転職を考えている人には特におすすめしたい本を紹介します。

日経新聞の記者、外資コンサルを経て独立し、ニュースサイト事業を行っている渡邉正裕さんの『35歳までに読むキャリアの教科書』です。

記者・コンサルを経験されていることもあり、転職経験者へのインタビューを含めた情報収集・分析が豊富で非常に説得力のある内容となっています。

2010年に発行された書籍ですが、「就・転職の絶対原則を知る」という副題を裏切らない、今の時代においても十分に活用できる要素が満載です。

渡邉さんの他の書籍は「10年後に食える仕事、食えない仕事」も有名です。

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キャリアを考えるフレームワーク

キャリアの教科書と著者が自信を持っているだけあり、転職・キャリアを考える上でのフレームワーク(体系的な考え方)が複数紹介されているのが本書の魅力です。

出版されてもうすぐ10年が経とうとしていますが、今でも色褪せない普遍的なフレームワークがあり、キャリアチェンジ検討者にとって非常に参考にできる点が多いです。

特に私が実際にキャリアチェンジ転職をしたときに参考にしていたものを、ピックアップして紹介して行きたいと思います。

 

動機・能力モデル

キャリア選択において、コア動機・コア能力の2つの概念の重要性を指摘しています。

重要ポイント

コア動機とは

 =価値観に裏付けられた「やりたいこと」

コア能力とは

 =才能に紐づく「できること」

この本の中で繰り返し活用されているモデルです。

そして、自分のやりたいこと、かつ自分のできることを仕事にする、さらに、自分のやりたいこと、できることを拡大していくことで、で自分のキャリアの可能性を発展させていくことが推奨されています。

「コア動機」と「コア能力」の重なるところで仕事をしようということに留まらず、「コア動機」と「コア能力」を仕事を通して拡大させようという点に注目です。

また、動機に関しては一見「発見」するだけなので、いつでもできると思いがちですが、就業経験が浅いと難しいことが説明されています。

働いたことがない学生がいくら頑張って自己分析を重ねたところで、たかがしれている

私も学生ではなく、社会人にこそ自己分析が必要だという考えを持っており、このサイトでも一貫して自己分析の重要性をお伝えしています。

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キャリアチェンジのタイムリミット

社会人10年目までに「動機」「能力」「仕事内容」を一致させることを目標にすべきとしています。

日本国内で働くならば、勝負は20代後半までに決まると考えてよい

20代後半までにコア動機を顕在化させる

そして30歳前後までにコア能力を発見し能力開発に勤しむ。

私がこの本を読んだ時は既に20代後半だったので、ものすごい危機感に襲われたことを覚えています。

幸い私はギリギリ間に合い今に至ります

 

職種や業界を変える転職

自分のキャリアを構築していくあたり、業界と職種をどのように考えるべきかが説明されています。

このモデルは、キャリアの方向性に迷っている人、キャリアチェンジ転職を考える人は特に注目したいところです。

つまり、転職は職種と業界の2軸で考えると以下の4パターンに分類されます。

四つの転職パターン

同じ職種・同じ業界への転職

同じ職種・違う業界への転職

違う職種・同じ業界への転職

違う職種・違う業界への転職

私は、営業を辞めるキャリアチェンジ転職をしていますが、このモデルには非常に大きな影響を受けています

キャリアチェンジ=違う職種に転職する下の2つに注目です

 

職種も業界も変える

最もドラスティックなキャリアチェンジである、職種も業界も変える完全なキャリアチェンジは第一優先で対応しなくてはならないと警鐘を鳴らしています。

第一優先とは、やると決めたらできるだけ早く決断して対応が必要であるという意味です。

20代はたしかにまだポテンシャルはあるものの、他の応募者との比較において明らかに不利になるため、20代のうちに動かないと手遅れになると指摘されています。

営業を辞めるべきか否か迷いながらも決断ができなかったときに、この一文を読んで後押しされた記憶があります。

当たり前のことではありますが、キャリアチェンジ転職は若ければ若いほど有利です。

 

業界は同じで職種を変える

渡邉さんは職種と業界について、以下のように指摘しています。

一般的に「業界」を変えるよりも「職種」を変えるほうが難しい

職種転換は社内の方が圧倒的に実現しやすい

その理由として、「その人を知っている」という「知名度プレミアム」が転職者に比べて有利に働くと説明しています。

私もこの考えには、大いに賛成です。

私自身も真剣に”異動”ということを考えていなかったのですが、この本を読んでからガラリと意識が変わりました。

私は転職経験は3回ですが、それとは別に自分で仕掛けた異動経験が4回あります。

「異動」は自分のキャリアを切り拓くための重要な手法の一つと捉え、戦略的に異動を活用することになりました。

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市場価値の測り方

転職を意識すると、自分の市場価値はいくらか気になるものです。

渡邉さんは、ある会社で高いパフォーマンスを上げることと市場価値は必ずしも一致しないため、自分のパフォーマンスの要因分析を冷静に実施することを推奨しています。

ココがポイント

ポータブルスキル

社内向けスキル

会社の看板プレミアム

規制プレミアム

[st-kaiwa1]自分のパフォーマンスを冷静に分解してみましょう[/st-kaiwa1]

 

ポータブルスキル

特定の会社に依存しない専門的な能力(才能+知識・技術)であり、転職しても通用するスキル。

転職や独立時にものをいういわゆる”市場価値”の部分です。

逆に言えば、ポータブルスキル以外は市場価値にはなりえません。

このポータブルスキルをいかに強化していくことが、キャリア戦略上とても重要になります・

 

社内向けスキル

特定の社内でしか通用しないスキル。

その会社特有の社風に紐づく仕事だったり、会社の人脈の広さ・深さだったりが、仕事のパフォーマンスにも一定の影響を与えていることがあります。

これは確かにその企業で働き続けていく上では非常に価値がありますが、一度転職すると通用しなくなるので要注意です。

 

会社の看板プレミアム

その名の通り、有名企業・優良企業の看板に対して発生するものです。

特に、大優良企業に勤めている人は、会社の看板がなくても同じような成果は出せるのか?ということは常に自分に問い続けることが大切だと思います。

 

規制プレミアム

政府の規制によって生み出されている価値。

テレビや新聞を例に出し、高い給料をもらっていることを自分の能力が優れているからと勘違いしないようにと注意が促されています。

規制によって競合を排除できていることに甘んじて、個人のスキルアップを怠ることに警鐘を鳴らしています。

 

市場価値を知るための効率的な方法

転職において重要なのは、もちろんポータブルスキルであり、これを最大化していくことがキャリア戦略において重要です。

自分のポータブルスキル=市場価値がどれくらいあるのかを知るための効率的な手法として、転職エージェントへの訪問が推奨されています。

自分のポータブルスキルの部分はいったいいくらなのか、複数の転職紹介会社に定期的に確かめてもらうのがよい

この考え方に影響を受けて、私も定期的に複数の転職紹介会社に訪問することで、自分の客観的な市場を価値を確認するようにしています。

自分の状況によって転職エージェントの選び方や最適なエージェントも変わると思っていますので、下記にそれぞれの状況別のおすすめを紹介しています。

私自身も定期的に転職エージェントに行くのが最も効率がよいと思っています。

 

やりたい仕事の見つけ方

このサイトでは「やりたい仕事」をすることを大きなテーマとしています。

これまでに何度か紹介してきました

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やりたい仕事の見つけ方について、渡邉さんは自分自身の考え方・手法を述べる前に著名な方法についても紹介しています。

7つの習慣

葬儀で述べてほしい弔事を注意深く見つければ、あなた自身の本当の成功の定義を見つけることができるだろう

-「7つの習慣」より-

大ベストセラー7つの習慣からの引用です。

自分の葬儀を想像するし、「自分はどんな人だった」と言われることが一番嬉しいのかを考えることで、自分自身の成功の定義=価値観をあぶり出そうとするものです。

ピーター・ドラッカー

何によって覚えられたいかね

ー ピーター・ドラッカー ー

経営の神様、ピーター・ドラッカーの名言からの引用です。

これも先程の弔事に近く、「人からどのような人物」として認識されたいかと考えることで、自分が大切にしている価値観をあぶり出そうとするものです。

 

35歳からのキャリアの教科書

これらを踏まえた上で、渡邉さん独自のやりたい仕事の見つけ方を紹介されていますが、私はこの手法が最もやりたい仕事をあぶり出しやすいと思っています。

ココがポイント

今10億円持っていてもなお、その仕事をやるか?

1円の稼ぎにもならないが、その仕事をやるか?

金銭報酬という発的動機を排除し、内発的動機(純粋にやりたいと思う気持ち)にフォーカスするための非常に優れた自分への質問です。

自分の本質レベルの欲求を知るために、非常に効果的な質問だと思います。

私のもうひと工夫

私は渡邊さんのこの外発的動機を排除するという手法に感銘を受けて、オリジナルでもう一つ質問を自分に投げかけることがあります。

それは「この仕事の成果について誰からの称賛がなくてもやりたいと思うか?」という質問です。

たいていの場合は、褒められたい、認められたい、すごいと言われたい、ありがとうと言われたい、という金銭報酬とは別の承認欲求という「外発的動機」があります。

私自身も営業時代に契約をとって褒められた時、チームに貢献でき皆が喜んでくれたときは、この仕事をやっていてよかったと強く思ったことがあります。

ただ、それは人間として当たり前の欲求であり、他者に褒められなくてもやりたい仕事、思わず没頭してしまうような作業を仕事にすることが重要だと思っています。

 

 感情移入できるキャリア事例

最後に、この本のもう一つを魅力を紹介して締めくくりとしましょう。

個人的に非常に興味深いのは、他の人のキャリアヒストリーが、具体的な会社名、年収と共に紹介されている点です。

渡邊さんはジャーナリストでので、取材を通して事実だけでなくその裏側にある思考や感情までも表現されているので、登場される方のキャリアにはそれぞれドラマがあり、非常に感情移入しやく読みやすい内容になっています。

また重要なフレームワークである「強みと動機」モデルを用いて、各人のキャリア遍歴を分析しているため、本書の内容を理解しやすい構成になっています。

個人的には、新卒大学生の就職ランキング上位常連の旅行代理店のJTBに就職した方のキャリアヒストリーは特に面白かったです。

就職人気企業を退社し、金融業界に大きくキャリアチェンジをしたキャリア変遷を動機、能力、年収などの観点からドラマチックに分析しています。

年収アップのストーリーも面白いですが、どうやって「コア動機」と「コア能力」に目覚めていったのかが一番の注目ポイントです。

また、JTB時代の泥臭い営業経験が、後々強みになっている、というのは、元営業マンの私からしても非常に興味深く共感できる点でもあります。

 

 キャリアチェンジをしたい人におすすめ

本書はキャリア全般について書かれていますが、私のようにキャリアチェンジを検討している人には特におすすめできる書籍です。

  • この記事を書いた人

BON

転職経験3回の年収1200万のサラリーマン

営業職から職種を変えるキャリアチェンジ転職を経験し現在はマーケティング職に従事。

「やりたい仕事」「年収をアップ」を実現することがモットーです。

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