このサイトでは、職種を変えるキャリチェンジ転職を中心に転職ノウハウを発信しています。
今回のテーマはキャリアチェンジのための業界研究・企業研究です。
転職活動のはじめの一歩ともいえるものですので、通常の転職活動においても参考にしていただける内容となっています。
キャリアチェンジ転職を検討している方にとっては、未知の業界や企業、職種への転職になる方もいると思いますので、特に今回の内容は参考にしていただけるのでないかと期待しています。
こんな方におすすめ
- 企業研究・業界研究のコツ・やり方が知りたい
- 未経験の業界・企業の場合、どこから情報を得るのが効率的か知りたい
- 業界研究・企業研究を職務経歴書や面接にどう活用するのか知りたい
業界研究・企業研究だけにとどまらず自己分析などを含めたキャリアチェンジ転職の戦略の全体像はこちらでまとめていますので合わせてご確認ください。
採用確率を上げる業界研究・企業研究
業界研究・企業研究をしっかり行うことで、自己PR=あなたを企業が採用すべき理由、に説得力が出てきます。
特に、職種転換を伴うキャリアチェンジ転職の場合は、わざわざ未経験者を採用することになるので、より明確な理由、説得力のある自己PRを用意しなくてはなりません。
業界研究・企業研究における最終ゴールは「求める人物像の明確化」です。
世の中の流れ・業界の展望というマクロなトレンドから、その中で企業が取るべき戦略、企業が取るべき戦略を実行する社員を推察し、「求める人物像」にあぶり出していくという作業になります。
職務経歴書・面接対策
自己アピールを考えるときに、何を伝えるのかということから考えてしまいがちですが、それと同じくらいに重要なのは「誰に言うか」というターゲット設定です。
ここで言う「誰=ターゲット」は、転職活動においては応募する企業のことを指しています。
人間の魅力は非常に多面的なので、切り取る角度によって、その人の見え方は大きく変わります。
転職者の場合は特にすでに多くの人生経験を積んできているので、A3の職務経歴書一枚、30分の面接で、自分のすべてを伝えることはできないでしょう。
つまり、ターゲット企業に合わせて、自分がアピールしたい部分の情報を厳選するという作業が重要になってきます。

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業界研究・企業研究のやり方とは?
ここからは、具体的にどのように業界研究・企業研究を行うべきかというやり方・コツを紹介していきます。
業界研究本で業界の全体像を捉える
まずおすすめしたいのが就職活動コーナーにある業界本を2~3冊ざっと読むことです。
大きな業界の流れや、主要なプレイヤー(企業)と競争関係、規模の違いなど、全体像を捉えます。
何事にも言えることですが、全体像を把握することで、情報の吸収効率が向上します。
日々のニュースを「点」でなく、前後のつながりも含めた「線」で捉えることができるようになるので、日々のニュースから得られる情報の質がグッと上がるはずです。

新聞・WEBニュース記事
最もベーシックな情報源となるのは、毎日見る新聞やニュースサイトでしょう。
目的はリアルタイム・最新トレンドの把握です。
特に、特定の業界に特化した専門ニュースサイトだとより細かい業界の動きを把握できるので、ぜひ日常的にチェックすることをおすすめします。
またなんとなくニュースを流し見するよりも、明確に自分の中で目的意識を持ってニュースに触れるとより効果的です。
ニュースを読むときのポイント
(例)企業が新サービスを発表
新サービスを行う目的は何か?
新サービスを導入する背景は何か?(業界や世の中の流れ)
今後、何が起きるか?(競合は追随するのかなど)
自分が希望する職種に与える影響は何かあるか?
Twitterアカウントをフォロー
自分が興味のある業界にいる注目すべきTwitterアカウントをフォローしましょう。
Twitterアカウントでは、ニュースに対するコメントや解説をしてくれることが多いので、ニュースの背景にある考察をより深めるのに役に立ちます。
同じ目的で、Newspicsを活用するのも多角的な視点を取り入れるのに便利です。
企業のIRサイトを見る
上場している企業であれば投資家向けのIRサイトが情報収集に役立ちます。
IRサイトでのおすすめ資料は下記の4つです。
決算発表資料
多くの企業では四半期ごとの決算発表としてパワーポイント資料に自社の活動のサマリーをまとめています。
企業全体の状況、今後の戦略がコンパクトにまとまっているので、企業理解に役立ちます。
アニュアルレポート
年に1度するアニュアルレポートを発行している企業もあります。
こちらでは4半期よりももうすこし長いスパンでの活動が報告されているので、より俯瞰的に企業戦略を理解するのに役立ちます。
有価証券報告書
グラフィカルな決算発表資料やアニュアルレポートと違い、有価証券報告書は白黒のPDF資料になるので、ファイナンス知識がない方は敬遠される方もいるかと思いますが、有価証券報告書は、どこの企業もフォーマットはほとんど同じ内容なので、慣れてくると案外読みやすいものです。
この中に、非常に重要な項目があるので、その部分だけでも目を通しておくことをおすすめします。
必読ポイント
【事業の状況 】
【経営環境、対処すべき課題】
【事業等のリスク】
企業自身による業界の展望分析、自社の企業戦略課題、注力すべき分野に関する考えがまとまっていますので、企業研究で知りたいことを一気に押さえることができます。

中長期経営戦略
企業によっては3年~5年くらいのスパンで中長期計画をまとめて発表しています。
この中にも、業界の展望、経営課題、注力すべき分野がまとまっており、場合によっては今後の人材育成戦略(≒求める人物像)まで掲載されていることもあります。
IR資料の中にあれば、必ず目を通しておきたい資料です。
四季報を読む
主に株取引をしている投資家が読む本で上場企業の情報が一手に網羅されています。
四季報のよいところは、一度にまとめて同業界の複数企業の業績・状況・展望をざっと把握できるところです。
一社あたりの情報量は少ないので、立ち読みするだけでも得られるものがあると思います。
関係者へのヒアリングも効果的
ここまでは書籍やサイトなど、自分自身で完結できる業界研究・企業研究でした。
さらにより深い情報を得るには、ヒアリングによる情報収集がおすすめです。
特に、文書化されにくい、社風・人事関連の情報は、ヒアリングでの情報収集は面接突破率にも影響してきます。
実際に業界に働いている関係者
社会人になっていると学生時代の友人や、友人の友人など幅広いネットワークが広がっているものです。
私自身もさまざま業界・企業・職種を経験していることもあり、直接の友人ではない人から話を聞かせてほしいということも結構増えてきました。
今だとFacebookメッセンジャーやSkypeなど実際に合わずにヒアリングされることもたまにあります。
転職エージェントでのヒアリング
自分の知り合いに志望業界の人材がいない場合はもちろんですが、そうでない場合も、転職エージェントからも情報収集をすることをおすすめします。
ここまで紹介してきたような情報を転職エージェントも網羅していることが多いですし、何より彼らの強みは職務経歴書や面接官を担当する採用担当者と直接のつながりを持っていることです。
企業戦略から落とし込まれた【求める人物像】だけでなく、社風や人事担当者のタイプも含めた【実際に合格する人】に関するリアルな情報を持っています。
私はよく「面接官ってどんなタイプですか?何か特別注意すべきことはありますか?」といった、エージェント以外からでは手に入らない情報をよくヒアリングしていました。
ちなみに、転職エージェントの選び方も状況に合わせてコツがあります。
私自身が体験したいくつかのシチュエーション別におすすめのエージェントの選び方・活用のコツをまとめていますので、参考にしていただければと思います。
おすすめ転職エージェント

まずは何からはじめるべき?
紹介させて頂いたように、業界分析・企業分析をしっかりやろうと思うと、それなりに時間がかかるものです。
そこで私のおすすめは業界をある程度絞り込む「選択と集中」です。
キャリアチェンジ転職のときに起こりがちなのは、どの業界・どの職種に「未経験者」を採用する需要があるかがよくわからないことです。
その場合は、まずは具体的な採用動向を把握している、転職エージェントから情報収集をすることが最も効率がよいです。
転職エージェントへのヒアリングのあとに、具体的に業界やターゲット企業を設定し、深堀り分析を行うという流れです。
初心者におすすめしたい行動ステップ
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1 転職エージェントから情報収集
まずは転職エージェントからの情報収集です。
業界・企業の情報収集をしながら、優先度の高い志望業界に関する情報を精査していきます。
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2 個人作業による業界・企業研究
転職エージェントから得た情報をヒントに、興味のある業界・企業に関する深堀り分析を行います。
情報源はこれまでに紹介したとおりです。
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3 転職エージェントから案件紹介
ここではじめて応募をします。
また並行して、職務経歴書対策・面接対策も転職エージェントではサポートしてくれます。
面接官のタイプなど、エージェントからしか手に入らない情報は確実にヒアリングしましょう。
業界・企業研究は転職後も活きる
さて、今回は業界研究・企業研究の具体的なやり方について紹介してきました。
私自身も転職する際は、毎回必ずみっちりと業界研究・企業研究を行っています。
それは転職を成功させることももちろんですが、転職後の自分の仕事やキャリアアップに活用できることを実体験として知っているからです。
異業種からきたはずの転職者が最初から一定以上の「業界知識」を持っていたとしたら「よく勉強している」とプラスの評価をされるものです。
やる気があると思ってもらえれば、上司や同僚からも一目置かれその会社に早く馴染むのにも非常に有効に作用します。
やりたい仕事で年収をアップさせよう
私は転職活動は単純に新しい「仕事を得る」ことに留まらず、転職活動中に得た知識や知見がキャリア全体にとっても有意義なものになると思っています。
それは業界研究・企業研究だけでなく、今までの自分事を棚卸しをする「自己分析」にも言えることでしょう。
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皆さんが、納得のいくキャリアステップに役立つような情報を今後も発信していきたいと思います。